
血圧はどれ位に保っていればよろしいですか?
降圧剤を飲まないと120/位、内服すると80/前後になります。
たまに60/位になります。
急性心不全をおこなさないためには高血圧の管理は非常に重要です。正常の血圧は、収縮期(俗にいう上の血圧)は、130mmHg未満かつ拡張期血圧(下の血圧)は85mmHg未満です。
高血圧治療に関するガイドライン(http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0019/1/0019_G0000180_GL.html) がありそれによると以下のような目標値が提唱されています。
若年者・中年者の方 |
: |
130/85mmHg未満 |
高齢者(65歳以上)の方 |
: |
140/90mmHg未満 |
糖尿病や慢性腎臓病のある方 あるいは 心筋梗塞後の方 |
: |
130/80mmHg未満 |
脳血管障害を有する方 |
: |
140/90mmHg未満 |
※患者さんにより背景が異なるので担当の先生にご相談ください。
心不全の程度が血液検査で知ることができますか?
ある程度評価することができます。
心臓に負担がかかると心臓、とくに心室から出されるB型(あるいは脳性)ナトリウム利尿ペプチド(BNP)というホルモンが高くなります。
従って、この値を評価することで心不全の重症度を知るためのひとつの指標になります。N末端BNPというのも基準値はことなりますが、その仲間です。
心臓の機能についての分類があると聞きましたが、どんなものでしょうか?
心機能分類としてよく使用されているものは、ニューヨーク心臓協会(New York Heart Association)が定めた心不全症状の程度を分類したもので、頭文字をとってNYHA(エヌワイエッチエーあるいはニーハー)分類と言われています。
心臓の動きの良し悪しではなく、心不全の症状の程度の強さを表すもので、次の4つに分類されます。
クラス I |
: | 心疾患はあるが、身体活動に制約はなく、通常の労作では疲労感、動悸、呼吸苦が生じない状態。競技スポーツも行うことができる。 |
クラスII |
: | 身体活動に軽度の制約があり、安静時には苦痛はないが、通常の身体活動が疲労感、動悸、呼吸苦を認める状態。軽いジョギングやレクリエーションゴルフはできるが、競技スポーツは苦しくてできない。 |
クラスIII |
: | 身体活動に高度の制約があり、安静時に苦痛はないが、通常以下の身体活動で疲労感、動悸、呼吸苦を認める状態。自分のペースなら何とか家事を行ったり歩いたりすることはできる。 |
クラスIV |
: | いかなる身体活動も苦痛を伴う状態。安静時にも疲労感や呼吸苦がある、または少しでも身体活動を行うと苦痛が増加する状態。 |
実際の臨床現場ではクラスIIの幅が広く、同じクラスIIでも I に近い人とⅢに近い人で日常生活に大きな差が感じられます。
またアメリカの慢性心不全のガイドラインでは心不全の進展によるステージ分類がありますが、次のような心不全の段階が提唱されています。
ステージA |
: | 心不全のリスクが高いが構造的心疾患または心不全の症状がない。 |
ステージB |
: | 心臓の形態に何らかの異常はある(形態的心疾患)が、心不全の徴候または症状はない。 |
これらは、NYHA分類のI に相当します。
たとえば、高血圧があり、心臓の筋肉が少し厚くなっていますよといわれている方は、この心不全分類にBに相当し、将来心不全を起こす危険もあるということです。ですから、たかが高血圧と馬鹿にしないでしっかり血圧を下げる治療をうけてください。
ステージC |
: | 形態的心疾患があり、心不全症状の既往があるか、現在その症状がある。 この患者さんはNYHAクラスIIまたはIIIに相当します。 |
ステージD |
: | 特殊な介入治療を必要とする難治性心不全。 |
この患者さんはNYHAクラスIVに相当すると考えられます。
心不全を起こさないように食生活で注意することはありますか?
心不全の予防のための食事療法として最も重要なことは、塩分制限です。その理由は、塩分を多くとりすぎると循環血液量が増えて心臓の負担が増し、その結果、むくみ(浮腫)や息切れなどの症状を悪化させる可能性があるからです。日本人での通常の食事では10-15g/日のNaCl (Na+:174-261mEq/日)が含まれていますが、その塩分の制限を、(1)軽い塩分制限、(2)中等度の塩分制限、(3)高度の塩分制限に分けて考えてみましょう。
| (1) 軽い塩分制限 | : | 塩辛い食事(外食など)を避けるよう心掛けること |
| (2) 中等度の塩分制限 | : | 軽い制限に加えて、調理時の食塩投与量を制限すること ⇒ 4-8g/日のNaCl摂取換算となります。 |
| (3) 高度の塩分制限 | : | 塩分量の少ない食事(※1)のみとすること ⇒ 1-3g/日のNaCl摂取換算となります。 |
以上より、まず心不全予防のために塩分摂取量は6~8g/日程度に控えるよう心掛けましょう。
しかし、過度の塩分制限をすることにより食欲減退を引き起こす可能性も十分ありますので、下記の“塩分制限のコツ”をご活用していただき、食に対する関心を維持することも重要であることも忘れないでください。
塩分制限のコツ
- 薄味に慣れる (外食を減らしましょう)
- 漬け物・汁物の量に気をつけましょう
- 「かけて」より「つけて」食べましょう
- 酸味を上手に使いましょう (レモン、すだち、かぼすなどの柑橘類や酢など)
- 香辛料をふんだんに活用しましょう (とうがらし、コショウ、カレー粉などの香辛料)
- 香りを活用しましょう (ゆず、しそ、みょうが、ハーブなどの香りのある野菜、海苔、かつお節など)
- 油の味を利用しましょう
- 酒の肴に注意しましょう (かまぼこ、はんぺん、薩摩揚げなど魚の練り製品、ハムやベーコンなどの加工食品は塩分過多の食品ですので注意が必要です)
もちろん、糖尿病や尿酸値が高い、コレステロールが高いなど他の疾患も指摘されている方は、それも加味した食事療法が必要になります。主治医の先生や栄養士さんによく相談に載ってもらって自分にあった食生活を送ることが非常に大切です。
![]()
息切れは、心臓、肺、そして脳(精神的要因も含まれる)の3つが関わりあって、“息が切れる”という感覚(症状)を感じ取ったときに生じます。
従って、息切れが少しでも強くなってきたときは、心臓の機能はだいじょうぶ?と疑ってみる必要があります。
そして、心臓が原因で息切れが生じる理由として、心不全、つまり、心臓の機能が低下した状態が上げられます。
もちろん、それ以外の心臓の病気のこともあるし、他の原因があることもあります。
最寄りの医療機関の内科あるいは循環器の先生にお尋ねください。
どんなときに心不全かも?と考え、医者に相談したらいいのでしょうか?
心不全は、原因は問わず心臓の機能が低下することで息が切れたり、足がむくんだりする症状が出たときに疑います。
注意すべき症状はチェックシートがあるのでチェックしてみてください。そして、そのうち2つ以上に該当する場合は、お近くの内科あるいは循環器科へ記入したシートを持って受診してください。
また、健康診断で心電図や胸のレントゲン写真で心臓が大きいと言われた方も医療機関受診をお勧めします。
![]()
心不全はどんな原因で起きてくるのでしょうか?
心臓は、筋肉、それを養っている血管(冠動脈といいます)、そして心臓が動くリズムをつかさどっている系とその信号が伝わる伝導路によって成り立っています。従って、以下にあげる引き金となる病気から、いずれかが障害をうけると心不全が起きてくることがあります。
心不全を起こす原因となる病気
- 高血圧
- 糖尿病
- メタボリック症候群
- 冠動脈疾患(心臓を養っている血管の病気:狭心症や心筋梗塞を含みます)
- 心筋症(心臓の筋肉の病気)
- 不整脈(脈の乱れや心臓内の信号伝達の障害)
- 腎臓病
- 慢性肺疾患
夜間睡眠中の突然呼吸が苦しくなり、ゼーゼーあるいはヒューヒューする呼吸を自覚しました。この呼吸苦は心不全が関係しているのですか?
喘息様の症状の原因として気管支喘息と心臓喘息の2つが主に考えられます。
気管支喘息とは吐く息や吸う息の通り道(気道)にアレルギーなどが原因で炎症を起こし、息が吐き出しにくくなり苦しくなる病気です。
一方、心臓喘息とは、なんらかの原因で心臓の機能が低下しておこる心不全により細い気道にむくみがきて内腔が狭くなったり、肺胞といって気道の先のほうにある空気を入れ替えする小さな風船のようなところに水がたまることでうまく換気(空気の入れ替え)ができないためにやはりゼーゼーしたりヒューヒューしたりする場合を言います。心臓喘息では、胸の聴診、痰の状態(血が混ざりピンク色で泡状のことが多い)、および胸のレントゲン写真を見て診断します。
![]()
健康診断で心臓が大きいといわれましたが、どういうことでしょうか?
心臓の大きさは、胸のレントゲン写真で判断します。
図のように両側の肺(レントゲン写真では黒っぽく見えます)の両端の長さに対して、真ん中の白く見える心臓のシルエットの長さの比(心胸郭比といいます)で見ます。通常は、半分(50%)を超えませんが、明らかに心臓が大きいのは一般的には52%以上を超える場合と言われています。
心臓が大きいと言われたことがある方は、是非、そのままにしておかないで循環器の先生にご相談ください。心臓が大きいときに“心肥大”と言われた方がいるかもしれませんが、レントゲン写真で心臓が大きい場合、正確には“心拡大”と表現されます。心拡大がなくても、つまり心胸郭比が正常でも、心肥大、つまり、心臓の筋肉が厚くなっている場合があり、レントゲン写真では正確には“心肥大”の判断はできません。
この場合は、心電図や心臓超音波検査(心エコー)で判断します。








